覚醒？ by長そで 小劇場 Trackback() Comment(2)

はぁ……








レスキュー「ど、どうしたんですか？ なんかやつれてるようですけど……」

あー？
うん、まぁ、なんだ、幸せ太りならぬ、幸せやつれってやつよ。

レスキュー「今日はかなり遅くまで寝ていたようですけど」

あー、うん。



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瑳音（黒）「ラースタちゃん、なんか今日はツヤツヤしてますね」

ラースタ（白黒）「え？ そうかなぁ？」

瑳音「えぇ、なんというか、精気に溢れて……あ」

ラースタ「あぁ……我ながら納得かも」

瑳音「…………」



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んでさレスキュー、例の検証どうだった？

レスキュー「あぁ、はい。雪名さんのあれのことですね」

雪名（白魔）「あれ……ですか？」

イズミ（茄子）「ラースタさんの角のときのことですよ」

ブラギ「姫がサソリの怪物を倒したというあれだな」

レスキュー「えぇ、それなんですが、やはり例のリミッター解除というやつで間違いなさそうです」










レスキュー「雪名さんが了承してくださったお陰で、断片的に残っていた起動ログの
　　　　　　　調査もできたのですが、能力の上昇についてもやはり当初の仮説どおり、
　　　　　　　速度の上昇が雪名さん固有の傾向のようですね」

そか、ありがと。流石レスキューだな。
でも疑問なんだけど、あれって一応、オーナーへの好感度とか関係してるんだよね？
その辺どうなってんだろ？

レスキュー「そこなんですが、私にも今ひとつよくわからないんです。
　　　　　　　　ですが七瀬さんが、非常に興味深い仮説を立てていました」

七瀬が？どんな？

レスキュー「前回のあれはラースタさんの角を巡って起きた事件でした。
　　　　　　　　だから、妻であるラースタさんが悲しむことになれば、夫であるあなたも
　　　　　　　　悲しむことになる、そういうことを無意識に想定した結果だったのではないか、と」

はぁ、なるほどねぇ……。

レスキュー「でも七瀬さんはこうも言っていました。
　　　　　　　　神姫にも心がある以上、全てが理屈で説明できるとは限らないかもしれない、
　　　　　　　　雪名は優しいから……と」

なんていうか、七瀬らしいなぁ……。










レスキュー「しかし、ここまではなんとか調べられたのですが、流石に当時のデータが少ないので、
　　　　　　　　そろそろこれ以上の解析は難しくなってきました……」

むー、そうか。まぁそこまでわかっただけで十分だよ。
ありがとレスキュー。

レスキュー「いえ、皆さんの健康を預かる身として当然の仕事です」

ブラギ「ふむ、その意気やよし、だな。しかし実際、あの当時、姫に何が起こっていたのだろうな」

雪名「これはもしかすると、私がもう一度あれをやれればわかるのでしょうかー？」

イズミ「それはまぁ、わかるでしょうけど……できるんですか？」

雪名「わかりませんー。でも、やってみたことがないので、やってみます」










雪名「では、いきますー」

お、おう。がんばれ！

雪名「リミッター、解除ですー！」

………………













雪名「解除されましたかー？」

レスキュー「……されてないみたいですね」

今、物凄い理不尽な質問きたよな……。










雪名「むむ……ならばもう一度です。リミッター、解除ですー！」



………………










ドスッ

ブラギ「ホギャァ！？」










雪名「あら？」










ヴァン「おい、なんか今鈍い音しなかったか？」










ブラギ「何をする貴様！ 私に突然の不意打ち、さては貴様、姫の命を狙う暗殺者だな！？」

雪名「おお、暗殺者さん！　暗殺者さんとはなんなのでしょう？」

イズミ「あ、暗殺者というのはその、人を殺す人のことですけど……この人はそんな風には見えません」

レスキュー「とりあえずブラギくん、一旦落ち着いたほうが」


ヴァン「……何やってんだ……」










ヴァン「とりあえずほらブラギ、まず落ち着け」

ブラギ「わ、私はいつだって落ち着いている！ ほら、この通りだ！」

ヴァン「わかったわかった……ん、こいつはアーリータイプのベータミゼットだな」

？？？「…………」

イズミ「アーリータイプ？」

ヴァン「俺たちベータミゼットの試作型だ。試作型なんで、記憶こそあるが自我が希薄で、
　　　　　感情表現に乏しいやつらなんだが」

レスキュー「だからブラギくんが何を言っても答えなかったんですね。
　　　　　　　とりあえず治療した方がいいでしょうか」

ヴァン「あぁ、そうしてやってくれ」



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レスキュー「とりあえず、こんなところでしょうか」

ヴァン「あぁ、悪いなレスキュー。さてじゃあお前、名前は？」

？？？「私に固有名はない……」

ヴァン「名前はつけられていないのか。ここに来た理由は？」

？？？「命令は受けていない…………」

ヴァン「誰かの意思ではないとなると、ただ流れ着いただけ……つまりは野良か」

雪名「野良？」

ヴァン「最近はそうやって野良になってしまうミゼットも多いのさ。こいつはアーリータイプだから、
　　　　　経緯は色々ややこしそうだが、まぁこうして野良化しちまったら、タイプは関係ないな。
　　　　　おい、しばらくこいつをここで世話してやれないか？」

ん？ あぁ、別に全然構わんけど。今更一人増えたって変わらないし。

ヴァン「そうか、じゃあお言葉に甘えてこいつをここにおかせてもらおう。
　　　　おい、今日からここがお前の家だぞ」

？？？「了解した……」










ブラギ「ふむ、なんだか静かで不気味なやつですな、姫？」

雪名「そうでしょうか？ でも、名前がないのは可愛そうです……」

ヴァン「お、そういうことならお前つけてやってくれよ。こいつも喜ぶだろ」

ブラギ「どうもそいつは喜びそうな顔はしていないがな」

ヴァン「やれやれ、相変わらずお前ってやつは……まぁブラギはほっとくとして、どうだ雪名？」

雪名「はい。じゃあこの方は……」










雪名「あなたは今日から、バルドルさんです」

バルドル「私の名はバルドル……了解」

ブラギ「ふん、姫から名を頂くのはとても光栄なことなのだぞ。感謝するのだな」

バルドル「……？」






そんなわけで、アーリータイプ・ベータミゼットのバルドルが仲間になりましたとさ。

実は木曜に先輩に連れて行ってもらった、小さな中古玩具店で偶然見つけてきた子だったり。
売価1000円だったところを、クリスマスセールの20%オフで、800円にて確保しました。
アーリータイプが手に入るなんて夢にも思ってなかったので超ラッキーでしたよ。



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美來（砲）「んー、しっかし、さっき勢いで撃ち落したあの羽虫みたいなの、なんだったんだろね？」

セイスモ「グゥォォォ？」