黒の剣聖 下 by長そで 小劇場 Trackback() Comment(4)

オーバーキル「すごい戦い……」

ハードトップ「化物だな……見てて状況の把握が追いつかねぇ」

スィンドル「しっかし……そろそろ見物もかったるくなってきたな」













スィンドル「ほらよ、っと」










（ｶﾝ










（ｶﾗﾝ…










瑳音「くっ、刀が……外野から不意打ちとは予想外ですね……」

スィンドル「おおっと、わりぃな！手が滑っちまった










ぜ！？」（ｻﾞｸｯ










マグマ「盗みだけでは飽きたらず……貴様、恥を知れ」

スィンドル「マグマ……ッ、てめぇ……！」










マグマ「下衆め……。オーバーキル、その刀を瑳音によこしてやれ」

オーバーキル「！？ お、おう！」










（ｶﾗﾝ

「何の真似です？」










マグマ「仲間の非礼を詫びたいだけだ。取れ、それも十分な業物と見える、不足はないだろう」










瑳音「（たしかに鋼月なら十分すぎる……しかしおそらく、これでマグマさんに勝つとしたら、
　　　　チャンスはたったの一度きり…でも……！）」










瑳音「わかりました、そろそろ勝負をつけます！」

マグマ「いいぞ瑳音、くるがいい！」































































マグマ「はっ……ははははッ……見事、だ……！」










瑳音「光栄、です……これで……」










スィンドル「ちっ、まだだよ！これで帰れるとでも思ってんのか！？お前ら！」










（ドン

瑳音「なるほど……うすうす気配は感じていましたが、これほどの人数が潜んでいたとは……」

スィンドル「無事に帰れると…思うなよ？」

瑳音「（今の消耗した私では、鋼月を使い続ければ、全員倒す前にこちらが倒れる……
　　　　かくなる上は、徒手空拳で切り抜けるしかなさそうですね……）」










「ちょっとまった！」

瑳音「！？」










瑳音「希亜良さん！？」

希亜良「急いで届けにきて正解だったな……いつものお前ならば、
　　　　　これぐらいさっさと切り抜けるんだろうが…」










希亜良「まぁ、マグマのやつがいたなら仕方あるまい……」










希亜良「受け取れ瑳音！朝、マスターが渡し損ねてラースタに預けていたそうだ！」










瑳音「！！ これは……！」

希亜良「例のお前の新しい刀…"黒耀"というそうだ！」










（ｼｬｷﾝ










瑳音「黒耀……！」










（ﾀﾞｯ










（ｼﾞｬｯ

シャドーパンサー「なっ……！？ 今何が……見えなかった……だと……！」









シャドーパンサー「ぐふっ」











瑳音「（すごい……初めて使ったとは思えないほど……手に馴染む……
　　　　これがマスターが、私のためだけに作り上げた……！）」













スィンドル「ちぃ！お前らぼさっとすんな！仕留めろ！」










瑳音「行きますよ、黒耀……。さぁ、私を止めてみなさい！」



・

・

・










希亜良「しっかし、あの数を秒殺か。ほんとに化物じみてるなお前は」










瑳音「あら、そうですか？」

希亜良「そうだよ。まったく、最初にあれ全員始末してからマグマとやりあえばよかったんじゃないのか？」

瑳音「そうもいかない状況だったんですよ。相手があのマグマさんですからね」

希亜良「まったく……まぁそんなものか。しかし、調子良さそうだったな、黒耀の方は」

瑳音「ええ……」










瑳音「本当に、私の使い方を完全に熟知したような刀でしたからね……
　　　　マスターったら不器用なくせにこういうことだけ一生懸命で……すぐ周りは見えなくなるし
　　　　………………本当に、だから私、ほっとけないんじゃないですか……」










希亜良「ん？ 最後なんて言った？」

瑳音「ぁ、いや、別になんでもありません！さ、追加装備の試着してみましょう！」

希亜良「ん？　まぁそうか……ならいいか。よし、じゃあ早速試着だな」










というわけで、二振りの新しい刀が瑳音のものとなったのでした。