蒼き魔神の涙 -目覚めの章- その1 by長そで 縒玖良と愉快な？爆丸たち Comment(0)

「縒玖良ー！」

縒玖良「んにゅ？」










縒玖良「どしたんフォっちゃん、そんなに慌てて」

フォス「それが、大変なんだよ」










ヘリオス「ベランダで行き倒れがいてよ」

Aパーシバル「しかも二人だ」

 

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Kパーシバル「ふぅ…いやぁ、助かりました」










Kパーシバル「地球の夏は厳しいですね、参りましたよ」

縒玖良「そーやねぇ。うちもそう思う。でも服脱いだらだめって、おとんが…」

フォス「縒玖良……」

縒玖良「うー……」

Kパーシバル「はは…ともかく、助けていただいてありがとうございます」










縒玖良「んむー、でもそれはどっちかっていうとアリサに言ったげて」

Kパーシバル「おっと、そうですね。いやぁ、爆丸の治療ができるなんて、たいした娘さんだ」

アリサ「治療というほど大したものじゃない、緊急時の応急処置を少しちちに習っただけだし、
　　　　　そこの君は極軽い熱中症だったから、アリサにもなんとかなったというだけだ」










アリサ「それに…こっちの爆丸はアリサにはどうしようもなかった……くっ……！」

ランド「お嬢のせいじゃねぇよ。そいつは運び込まれたとき、もう全然反応なかったんだし……」

Aパーシバル「あの時点でおそらく力尽きていたんだ、助かりそうな方の処置を優先した
　　　　　　　　　アリサの判断は適切だった」










Kパーシバル「あー、そのことなんですが……その爆丸は元々、かなり深い眠りについているのです。
　　　　　　　　　なので、死んだように反応がないのは当然のことかと……」

アリサ「え……？」










Kパーシバル「彼は、おそらくざっと4500年ほど前の太古の昔から永い眠りについている、
　　　　　　　　　そう考えられている、古代の爆丸なのです」

Aパーシバル「こいつも古代の爆丸か……」










Kパーシバル「申し遅れました。私はアクア・ナイト・パーシバル。考古学者をしています。
　　　　　　　　　そこにいるアクア・コアデムも、私が研究調査の中で発掘した爆丸です」

Aパーシバル「なるほど、考古学者とは驚いた。興味をそそられる話だ、よければ詳しく聞きたいが」

Kパーシバル「皆さんは命の恩人です、それぐらいでしたら喜んで」










Kパーシバル「そもそも私は、ヴェストロイアからローテルディアに渡り爆丸の古代史について
　　　　　　　　　研究調査をしていたのですが、そんな中ローテルディアの南極に近いとある地域の
　　　　　　　　　爆丸に古くから伝承されていた『蒼き魔神』の伝説に着目しまして……」


縒玖良「へっちゃん、こーこがくしゃってなに？」

ヘリオス「あー……平たく言えば、大昔のことを研究したりする学者先生だな」


Kパーシバル「……とそんな感じでその地域で数々の善行を行い英雄と呼ばれた
　　　　　　　　　アクア・コアデムですが、ある時大きな戦いの中で次元の狭間に飲み込まれ、
　　　　　　　　　爆丸たちの前から姿を消してしまいます。私は、次元の壁のむこう側へ渡った
　　　　　　　　　蒼き魔神の行方を探すうちに地球にたどり着き、彼を発見しました」










Kパーシバル「私は、休眠状態の彼を発見した地域の周辺で、英雄がその後どうなったのか、
　　　　　　　　　人間の科学者の手も借りて徹底的に調べました。
　　　　　　　　　彼は地球へと飛ばされた後、一人の人間の少女と出会い親交を深めたそうです。
　　　　　　　　　爆丸たちの世界では、民を守るために戦いに明け暮れた彼にとって、
　　　　　　　　　地球で過ごした少女との日々は、穏やかで心安らぐ時間だったことでしょう」










Kパーシバル「しかしそんな日々も長くは続きませんでした。当時はまだ、人間にとって爆丸は
　　　　　　　　　とても異質な存在です。やがて周囲から好奇の目を向けられ、いよいよ
　　　　　　　　　時の王によって国中に捕獲命令が下されました。彼は少女と共に逃亡しましたが、
　　　　　　　　　そんな中少女は、彼を庇って命を落としてしまいます。悲しみに暮れた蒼き魔神は、
　　　　　　　　　自らを封印し、深い深い眠りについたというのです」










フォス「なんだか、悲しいお話だね……」

Kパーシバル「ええ……あくまで我々の調査によるものなので、この話のどこまでが真実かは
　　　　　　　　　わかりませんが、事実として彼が今も眠り続けている以上、これに近いことが
　　　　　　　　　実際に起こったのではないかと考えています」

Aパーシバル「なるほど……そして今は、このアクア・コアデムを
　　　　　　　　　研究の為に運んでいる途中だった、というところか」

Kパーシバル「そんなところです。さて、体調もよくなってきましたし、そろそろ…」










アリサ「いや、今日はもう変に体力は使わないほうがいい。
　　　　悪いことは言わないから泊まっていけ」

Kパーシバル「いえ、ですが……」

アリサ「大丈夫だ、ちちとははに頼めば、入院患者ということで許可をとってくれるさ。
　　　　　弱った体はしっかり回復させないといけないぞ」

Kパーシバル「むむ……わかりました、そこまでおっしゃるなら、お言葉に甘えさせていただきましょう」










縒玖良「あー！そうやった、このあと樹里姉と爆丸バトルやった！」

ヘリオス「おっと、そういえばそうだったな」

フォス「そろそろ時間だよ」

縒玖良「ううー、急がんなん！」

Kパーシバル「おお」










Kパーシバル「爆丸がたくさんいるのでもしやと思っていましたが、やはりあなたは爆丸バトラーでしたか」

縒玖良「うん、そうやよ」

Kパーシバル「ルミナのフォス族、ヘリオス族、パーシバル族のアルファ種……
　　　　　　　　　もしやあなた方は、あのメタ・ドラゴノイドを倒したという……」

縒玖良「うん」










Kパーシバル「おお、素晴らしい！まさかそんな方々にお目にかかれるとは！
　　　　　　　　　今から爆丸バトルということですね！よろしければ是非見学させてください！」

縒玖良「うん、いいよ。じゃあ一緒に来て」



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樹里「アビリティ発動！神の気まぐれ！」










樹里「召喚爆丸、サブテラ・クロノスさん！」

クロノス「……！(ｽﾞｽﾞｽﾞ」










縒玖良「うあー！またクロノスやー！」

Kパーシバル「ほう、あのカードに召喚爆丸……あの方、召喚士ですか」










縒玖良「しょーかんし？」

Kパーシバル「えぇ、最近学会で研究中の課題なので、一般用語ではないですが」










Kパーシバル「一般に、召喚爆丸を仲間に加えると、バトラーの元にはそれぞれの爆丸ごとの、
　　　　　　　　　二枚のアビリティカードが現れます。しかし極稀に、それとは違う特殊な
　　　　　　　　　アビリティカードが出現することがあるのです」










Kパーシバル「それがあの『神のきまぐれ』ともう一つ、『レフトハンデッドシュート』という
　　　　　　　　　アビリティです。その二枚は、通常の召喚爆丸アビリティを凌駕する、
　　　　　　　　　召喚爆丸を自在に操る強力な力を秘めています。
　　　　　　　　　しかしそれらは、特別適性のある極一部の限られた者の前にしか現れないのです」










Kパーシバル「ほとんどの場合、出現するのは二種類のうちどちらか一つだけのようですが、
　　　　　　　　　そのどちらが出現するのかも、その人の適性によって変わります。
　　　　　　　　　そして、私達はその特殊な適性を持つバトラーたちを召喚士と呼んでいるのです」

縒玖良「へー、樹里姉ってすごい才能の持ち主やってんね……」










樹里「どうしたの縒玖良ちゃん、次そっちのターンだよ！」

縒玖良「あ、うん！」










フォス「縒玖良」

縒玖良「うん、ここはバトルギアでがっつり攻めるよ！」

縒玖良「爆丸シュート！ポップアウト、ルミナ・フォス！」 

樹里「来たね！ゲートカードオーｐ










（ﾄﾞｸﾝ










樹里「！？」

縒玖良「！？ なに……なにいまの？」










アリサ「どうした縒玖良？」

縒玖良「えっ、アリサはなにもなかったん？」

アリサ「ああ、何も感じなかったが」

ランド「俺もだ」

縒玖良「なんやろ……この、ざわざわする感じ……」










（ﾄﾞｸﾝ











（続く！