近代化改修その3 by長そで 小劇場 Comment(0)

磋姫：	さて、最後は本命のこちらです。ﾌﾌﾌﾌﾌ……
アルフ：	めちゃめちゃ私情出てますねぇ……

磋姫：	こちらは我が最愛のお姉様こと瑳音姉様の新武装です。 こちらは元々5年前、武装神姫10周年の記念用にマスターが計画していた武装でしたが、 当時のマスターがブラック現場に放り込まれた結果、5周年の記念日までの作成計画が破綻し 以後15周年の節目まで凍結されていたものです。こんなんばっかですねうちのマスター。
アルフ：	まぁまぁ……希亜良さんのはともかく、瑳音さんのは事情が事情ですから……
磋姫：	人間の脆弱な脳でシステム設計やプログラミングを仕事にせねばならない点についてだけは 多少同情の気持ちが湧かないわけではないですわね

磋姫：	気を取り直して。 瑳音お姉様は元々長くストラーフ純正のサバーカを基礎にカスタマイズした武装を使用していました。 御本人の極端な戦闘スタイルもあって中々慣れた装備以外はお使いになりたがらなかったのですが 幾度か改修を加えたとはいえ本来最初期の武装ゆえ、 お姉様の高い戦闘技能に対してスペック不足は否めない状態が長く続いていました。

磋姫：	そこで今回は、お姉様が長年培った戦闘技能を最大限発揮でき なおかつ繊細な使用感を気になさるお姉様でも納得していただける装備になるよう わたくしとマスターで協同して設計段階から綿密な調整を重ね、 現状のお姉様に最もふさわしい装備を目指して開発を行いました

磋姫：

細かく見ていきましょう。 脚部は5年前の段階では引き続きサバーカをベースにした形を想定していたのですが 独特の規格と現在の目で見ると厳しい可動性ゆえ、要求性能を満たせる改修案がまとまらず 凍結前の段階では具体的な設計が完了していない有様でした。 しかし数年前、マスター曰く"姫あれ時代からの憧れの神姫オーナー"キラバトさんの 個人ディーラー"ナレノハテ"さんにて、メガミ用の脚部パーツ「FTF-02 装肢アルカナ［バチ］」を入手したことで これをベースとする形での方針転換が行われ、無事に完成に漕ぎ着けることができました。 サバーカに比べ小型なので、お姉様も最初は「歩幅とかが……」と難色を示しておられましたが 軽量で駆動効率も良い装備ですので、実際にしばらく慣らしをしてみて満足いただけたようです。

磋姫：	足首後部には、独自開発のローラーダッシュユニットを装備。 元々お姉様はサバーカの脚力と歩幅を生かした軽妙で的確なフットワークによって 近接格闘戦では負けなしの高度な立ち回りを実現してきましたが 一方で純粋な脚力によって走る以外の移動手段を持たず、 平面機動力の不足が一つ弱点でもありました。 このローラーダッシュユニットは、そんな弱点の解消を狙ったものになります。

磋姫：	ローラーダッシュユニットは足首後部のアームを介して移動し、 足裏へジョイント後にアームとの接続を解除することができる機構になっており 非使用時の格納と、装着時の可動性低下防止を両立する設計となっています。 これはお姉様からの 「格闘戦時の安定性が確保できるよう、非使用時にローラーが滑るような事故が起こらない設計にしてほしい」 というオーダーに対応したものです。

磋姫：	ローラーの配置はインラインスケート状の直線状にローラーを配置したレイアウトを採用。 多少不安定にはなりますが旋回性は格段に上がりますし、 お姉様のバランス感覚ならば使いこなせるであろうと見込んでこの形となりました。

磋姫：	腕部パワードアームは各種マテリアルを組み合わせて作成したミキシングビルドです。 ヘキサギアなどで採用される高強度のフレーム材を使用し、高い信頼性、耐久性を実現しています。 ほぼフレーム剥き出しに近い状態ですが、格闘戦時の防刃を目的として、 側面にはフレームと同等の構造材を追加で取り付けています 耐弾性は皆無ですが、お姉様曰く「避けるか切り捨てるので要らないです」ということなので 実際ほとんど考慮していません。
アルフ：	なんでリアル石川五ェ門みたいなことできるんでしょうね…

磋姫：	武器は以前と変わらず、お姉様の愛刀"黒曜"です。 他の武装は交代させてもこれだけは使い続けるとお姉様が頑なにおっしゃっていたことと マスター自身当時以上の一本を作れる自信が今はないということで、あえてこれは続投となりました。 なお、素体へのマウントパーツのみ、最新のマテリアルを利用して新規に作成しています。 当時は市販されている関節パーツの種類も限られていましたから、 マウントパーツそれだけでも大型であったところ、今回かなり軽量で使いやすくなったのではないかと思います

磋姫：	最大稼働時用の頭部ラジエータホーンはヘキサギア用のパーツをほぼそのまま転用。 放熱効率も格段にアップし、安全性が高まりました。

磋姫：	ということで、我が愛しのお姉様の待望の新武装の紹介でした。
アルフ：	改めて見て、ここまで個人向けに調整された設計は執念すら感じますね……。 長そでさんと磋姫さんからの愛情が感じられる装備だと思います。
磋姫：	ﾌﾌ……お姉様、美しいです…………ﾌﾌ……
アルフ：	もうちょっといい感じの雰囲気で締めようとか思わないんですか