彩のない世界 その2 by長そで 縒玖良と愉快な？爆丸たち Comment(0)

・前回のお話はこちら

リズラス『もう慣れてきたようだな。筋がいいようだ』

稚綾『そうかな……でも最近、ずっとこうやって練習してるから……』

リズラス『たしかに、寝ても覚めてもこれだな』




稚綾『でも、これもお父様のため……』

ハーピー『あ～ら、健気なのねぇ。私はそろそろオフがほしいわ』

リズラス『休暇など何に使うんだ』

ハーピー『あんたみたいに生きてんのか死んでんのかわかんないような
　　　　　　　生き方はしてないのよ』

稚綾『そんな言い方……』

リズラス『言わせておけ。確かにこいつの言うとおりかもしれない』




稚綾『リズ……』

リズラス『俺もロクも、とくに趣味や娯楽には縁がない』

稚綾『それは……』





リズラス『（そうだ、生まれてこの方やつらの駒、
　　　　　　休みなんてあったところでなにもしたいことはないし、
　　　　　　なにをすればいいのかもわからん）』




リズラス＜……じゃあそもそも俺は、何のために生きているんだ？＞





稚綾『リズ、もう行くの……？』

リズラス『もう眠るのに、なぜここにいる必要がある？』

稚綾『……せっかくなら、みんなで寝れば……』

リズラス『一人が寂しいとでも言うんじゃないだろうな？』

稚綾『…………』

リズラス『……本当にそうなのか。仕方のないやつだな、お前』




稚綾『……少しでいいから、お話してていい……？』

リズラス『まったく……世話が焼ける』





稚綾『……ねぇリズ。リズは外の世界には出たことある？』

リズラス『随分昔に』

稚綾『どんなところなの……？』

リズラス『そうだな……きっとお前が思うようなところではない。
　　　　　　俺が知っている外の世界は、誰かと憎み合い争い合うか、
　　　　　　誰かを利用し使い捨てるか、そんな連中ばかりだった。
　　　　　　お前は、外の世界にはなにか楽しいものが待っているとでも思っているんだろうが』




稚綾『私の内蔵辞書に、"友達"っていう単語がある……
　　　　互いに心を許しあう、親しい人。
　　　　外の世界が本当にリズの言うとおりなら、なんでこんな言葉があるの……？』

リズラス『難しいことはわからん……生憎、身体を動かす以外のことは
　　　　　　教えられたことがない』

稚綾『そう……この言葉はどうして存在するのかな…』




リズラス『どちらにしろ、俺たちには縁のない話だと思うが』

稚綾『そっか……』




稚綾『……でも私は、今リズが私とお話してくれたこと……それって、
　　　　友達って言うことなんじゃないかな、って……』

リズラス『俺が、か……？』




リズラス『面白いことをいうやつだ。
　　　　　　だが、友達が欲しいならせめて相手は選べ』

稚綾『リズじゃダメ、なの……？』

リズラス『ああ』



リズラス『戦うことしか知らん、俺のような空っぽの存在なんてな』



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フォス「くっ！」




リズラス「バトルギアの上乗せ程度！」




リズラス「そんなものでバトルの優劣は決まらん！」

フォス「ぐぅっ！」




リズラス「貴様に恨みはないが、死んでもらうぞフォス！」

フォス「なぜだリズ！君たちの後ろには何があるって言うんだ！？」

リズラス「今から死ぬ者には関係ない！」








Aパーシバル「いかん！落とされるぞ！」

縒玖良「フォっちゃん！アビリティ発動！」




稚綾「アビリティ発動……！」


（続く