えくすかりばー 後編 by長そで 小劇場 Trackback() Comment(5)

・これまでのあらすじ
刃物の取り扱いにはくれぐれも気をつけましょう

縒良「無理だりっちゃん！！」

縒名「なに！？りっちゃんまさか…！」

ブルーティカス「次は貴様か……」










縒良「逃げて！剣なんか使ったこともないくせに、できるわけないでしょ！」

璃縒「うぅ……でも…………でも、もう私しか……私がやるしか…………」

ブルーティカス「声が震えているぞ、小娘ェ……」

璃縒「うぅぁ……」




璃縒「（やらなきゃ……やらなきゃ…………できる、私の……私の武器だもの……）」










璃縒「うあぁぁぁぁああああッ！」

縒名「っ！あんな持ち方、めちゃくちゃだ…！」










ブルーティカス「フン」










ブルーティカス「拍子抜けだ」

（ガンッ

璃縒「きゃあ！」









璃縒「あぁ………っ」










（ドサッ

「おっと危ない！」

璃縒「……？」










ラースタ（白黒）「遅れてごめん、大丈夫りっちゃん？」

璃縒「あっ……は、母上……」

ラースタ「うん、これでも急いで準備してきたんだけど、ごめんね」










ブルーティカス「新手！だが、今更増えたところで――」

「どこを見てるんだデカブツ？」










（ガッ

「戦闘スペシャリスト集団のコンバットロンが、戦闘中に余所見か？」

ブルーティカス「！？」










ブルーティカス「な、貴様……！」

希亜良（犬）「ご無沙汰だな？ 合体するとおつむが低くなる欠点は治ったのか？」

ブルーティカス「グッ……！」










希亜良「あとこういう背負いモノは邪魔だ。降ろしておいてやろう」（ガッ

ブルーティカス「チィ！」










ブルーティカス「貴様！離れろ！犬っコロめ！離れろ！」

希亜良「聞けん要求だな。お前こそ大人しくするんだ！」










希亜良「おいラースタ！」










ラースタ「あ、うん。じゃありっちゃん、ちょっとそこで大人しくしててね」

璃縒「母上、でも……」

ラースタ「大丈夫、すぐ終わらせるから、あとでちゃんとお話しようね」

璃縒「母上……」










ラースタ「よーし、張り切って行こう！やるよきありゃん！」（ジャキッ










希亜良「そうだな！派手なやつを頼む！」

ブルーティカス「あぁ！？」










（コツン☆

ブルーティカス「こつん？」










ブルーティカス「えﾞ」










ラースタ「この距離ならバリアは張れないな！なんちゃって！」










ブルーティカス「えっ、ちょっ、ま…………」






ブルーティカス「ｱｯｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ！？」







・

・

・










希亜良「私はな、お前たちは賢いと信じている」










希亜良「だからお前たちは、私やラースタが何を言いたいか、わかっているとも信じている」

ラースタ「うんうん」










希亜良「誰か、答えられる者はいるか？」

縒名「う……か、勝手に危ないところに突っ込んでいってごめんなさい……」

縒良「ごめんなさい」

璃縒「ごめんなさい」

ラースタ「うんうん、みんな素直で大変よろしい」

希亜良「うむ。しかしまぁ、縒名と縒良は、ラースタのツノの時も私たちに言わなかったし、
　　　　　ある意味前科持ちであることを忘れるなよ」

縒良「ぶっ……！」

縒名「ご、ごめんなさい……」










希亜良「それで璃縒、お前はなんであんな無茶をしたんだ？」

璃縒「そ、それは……」

希亜良「私の記憶が確かなら、お前は戦う術をまったく知らないはずだ。
　　　　　あの状況で武器を持つのは、自殺行為に他ならない。今後はこういうことは……」

ラースタ「まぁまぁきありゃん。……りっちゃんは、あの時なんでああしようと思ったの？」

璃縒「はい……」










璃縒「目の前で姉上たちが傷ついていくのが嫌で……せっかくいただいた大切な剣が
　　　　奪われてしまったのが悔しくて……私、なんの役にも立たなくて……
　　　　やっぱり悔しくて……だから…………」











璃縒「でも、ダメでした……。私の武器のはずなのに……私じゃ全然使えない……
　　　　肝心なときに何も出来ない……だから私、あの時、すごくすごく悔しくて……」

ラースタ「りっちゃん……」

璃縒「あの時、はじめて……ずっと、見てるだけで幸せだったあの剣を……」










璃縒「……はじめて、上手に使いこなしたいって、思いました」










璃縒「広いところに出るのは怖いですけど……それでもあれを……
　　　　あの剣を、いつかあの人に『私の武器です』って、誇れるようになりたいです……！」

ラースタ「ふふ」

希亜良「フッ……」

璃縒「だから……あの……っ！」










希亜良「上等だ。私の指導は、厳しいぞ」

璃縒「ぅ……はい……！」