残暑きもだめし by長そで 小劇場 Comment(2)

ゼニス「ｿｳｲｴﾊﾞ､最近隊員達ﾉ間ﾃﾞ､妙ﾅ噂ｶﾞｱﾙﾉﾃﾞｽｶﾞ…」










希亜良「お、おいゼニス、その話は……！」

瑳音「妙な噂？」

ゼニス「ｴｴ…」










ゼニス「数日前､部下ﾉ何人ｶｶﾞ家ﾉ見回ﾘｦｼﾃｲﾀﾄｷ､偶然､ｺﾞ主人ﾉ両親ﾉ寝室ﾉ前ｦ
            通ﾘｶｶｯﾀｿｳﾃﾞｽ｡ｿﾉﾄｷ､寝室ﾉ奥ｶﾗ足音ｶﾞｼﾀﾄﾉｺﾄﾃﾞ､ﾖｸ見ﾃﾐﾙﾄ…」










ゼニス「ｿｺﾆﾊ､恐ﾛｼｲ形相ｦｼﾀ落ﾁ武者ﾉ幽霊ﾉ姿ｶﾞ…！」










希亜良「やっ、やややややめろゼニス……そ、そういうひかががくてきな噂は……！」

瑳音「と言いつつ、なんでそんな隅っこに寄ってるんですか希亜良さん」










アリサ「でででも、き、希亜良の言うとおりだとアリサも思うぞ……！」

イズミ「あらあら」










縒玖良「おかん、おちむしゃってなに？」

ラースタ「戦に負けて逃げ延びたお侍さんのこと、かな……
　　　　　　ぼ、ボクもあんまり詳しくはないけど……」










「うらめしや～」（ﾇｯ

アリサ「！？」










アリサ「ぶわああああああああ！？」

希亜良「おおおおおお！？」

陽菊「わぁ、予想以上にいい反応」

アリサ「って、ひ、ひなか……喉からCSCが飛び出るかと思ったぞ……」










ゼニス「ﾅﾝﾀﾞｶアリサﾁｬﾝ､ﾄﾞｺﾄﾅｸ隊長ﾆ似ﾃﾏｽﾈ…」










瑳音「でも昔の希亜良さんといえば、もっとツンデレで頑固でしたよ？」

希亜良「誰がツンデレの頑固者だ誰が」










縒玖良「でも幽霊って、ほんとにおるがかな？」

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ミストカーフ「で、」










ミストカーフ「なんであたしがお前らの肝試しに付き合ってるんだ？」

縒玖良「えー、だっておかんオバケ嫌いやから頼んでも無理やと思うし、
　　　　　さー姉とかに頼んでもやめとけって言うやろうし」

ミストカーフ「それバレたらあたし何て言われるかわかったもんじゃないな……」

縒玖良「まーまー、頼りにしとるってことやって！」

ミストカーフ「……しっかし、あたしとプロフェッサーは長いこと夜行性で生活してるが、
　　　　　　　　幽霊なんて見たことないぞ？ほんとにいるのかそんなの？」










アリサ「はぁ……アリサはよせと言ったんだがなぁ」

ランド「まぁまぁお嬢よ……俺だってこういうのはあんまり得意じゃないが、
　　　　なんかあったらお嬢だけは守ってやるさ。元気だせよ……」










縒玖良「でもひながこういうことしようって言い出すのも珍しいじ」

陽菊「まぁたまにはこういうのもアリかなと思って。縒玖良もわりと乗り気だったでしょ？」

縒玖良「まぁそうやけど」










ミストカーフ「それにしても……」










ミストカーフ「意気込んで来たってのに何も起こりそうにないな」

フォス「やっぱり何かの見間違いじゃないのかな……そろそろ帰る？」

縒玖良「えー」

フォス「はぁ……縒玖良、結構楽しんでるよね」

アリサ「アリサには理解できん……」

陽菊「ふふふ♪」










縒玖良「あ、そうや。もしかしたら写真とか撮ったら、あれになるんじゃないけ？
　　　　　ほら、心霊写真ってやつ？」

ミストカーフ「おお、なるほどな。よしお前ら、ちょっとそこ並べ」










ランド「こんな感じでいいか？」

ミストカーフ「おう」

陽菊「かわいく撮ってねー」

フォス「そういう主旨の撮影じゃないんじゃ……」










ミストカーフ「んー、流石に光量少ないなー。まぁ試してみるだけだし別にいいか」










ミストカーフ「んじゃ、撮るぞー……」










ミストカーフ「って、んん？」










アリサ「ど、どうしたミスト……」










アリサ「何かおかしなことでも……」

？？？「…………」

アリサ「…………」

？？？「…………」










アリサ「うわうわうわうわううあわわわわでたでたでだでｔ」

ランド「おまおまおまおまおまえだだだれだおおおおいお！」

フォス「あわわわわわわ……！」

縒玖良「おおー……！」










ミストカーフ「チッ、出やがったな落ち武者野郎！
　　　　　　　　だがあたしの目が黒いうちは、チビどもには指一本触れさせねぇ！」










ミストカーフ「おりゃあああああ！」

？？？「おうふ！」










（ﾄﾞｻｯ

ミストカーフ「どうだ？手応えはあったぞ」

縒玖良「え、でも手応えがあったってことは、幽霊じゃないんじゃないが……？」

ミストカーフ「え」



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ミストカーフ「……はぁ。つまりお前は、長そでがその親父の誕生日にプレゼントした、
　　　　　　　　特撮リボルテック大魔神だと」

大魔神「ええ、そういうことです」










大魔神「数年前の春、長そで君は怪獣映画世代であったお父上に拙者をプレゼントし、
　　　　　実際怪獣好きだったお父上は喜んでくださったのですが、どうも世代的に
　　　　　アクションフィギュアというものに馴染みがなかったようでして、あまり
　　　　　遊ばれることもなくテレビの上の守護神になってしまい、最近は暇なので
　　　　　お父上の寝所の見回りをしていたのですが、それがいつの間にか
　　　　　妙な噂になってしまっていたようで……」










アリサ「な、なんだ……やっぱり幽霊はいなかったのだな」

ランド「あぁ……みたいだな。ほんとびっくりしたぜ……」










ミストカーフ「ふん、なるほど、お前も苦労してるみたいだな。
　　　　　　　　こっちこそいきなり飛び蹴りかまして悪かったな」










大魔神「いえ、こちらも驚かせてしまったことは事実ですので、お互い様ということで」

フォス「なんか、すごくいい人だね……」

大魔神「武士道の精神というやつです」










縒玖良「でもじーちゃんの友達ってことなら、今度おとんの部屋にも遊びにこんか！
　　　　　うちんとこなら退屈せんよ！」

大魔神「おお、なんとお優しい……流石は主殿のお孫さんだ……」

陽菊「ふふふ、良かったね」










フォス「……ねぇひなちゃん、もしかしてだけど……ひなちゃんは、全部知ってた上で、
　　　　僕たちのこと連れてきたの……？」

陽菊「ん？」










陽菊「ふふ、さて、どうだろうねー♪」



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アリサ「しかし疲れたな……写真のときは、流石のアリサもCSCが止まるかと思ったぞ……」

フォス「まぁあの状況はねぇ……」











縒玖良「でも大魔神のおっちゃんとも友達になれたし、良かったんじゃない」

フォス「まぁそうだね。終わりよければ、ってところかな」










アリサ「ところでひな、今回のが幽霊じゃなかったってことは、
　　　　やっぱり幽霊なんてものは実在しないということで、いいのだよな？」

陽菊「んー？」










陽菊「それとこれとは別問題かなー♪」

アリサ「うおぉい！？」