双子の潜入者 by長そで 小劇場 Comment(0)

 
瑳音「マスター、これは……」

うむ、お隣の部屋に引越しのご挨拶にもってくつもりだったお菓子。
結局、灯りがついてるときに何度か行っても出てこなかったし、
そうしてる間に賞味期限も切れちゃったのよ。

ラースタ「女の人の一人暮らしとかだったりしたら、夜に男の人が
　　　　　　訪ねてきたら流石に出にくいかもしれないしね」

そうねー。まぁそんなわけで、勿体無いしみんなで食べちゃいましょう。



 
美來「おやつ！（ｶﾞﾊﾞｯ」

はいはい、一人で馬鹿食いしないなら分けてやるって。



 
ラースタ「これでアニメみたいに、『引越しそば持ってくるのだー！』
　　　　　　って突っかかられたりしてねー♪」

ははは、それなら楽しいのにねぇ。
じゃ、食べますか。




（ﾍﾟﾗﾘ



（ﾊﾞﾀﾑ
 
瑳音「…………」

ラースタ「…………」

……なんだいまの。

瑳音「神姫のように見えましたが」

（ｺﾞﾄｺﾞﾄｺﾞﾄ）

お……





（ﾊﾞﾝｯ！！
 
（黒髪）「せーっかくようやっと見つけてくれたのに！」

（青髪）「この仕打ちはひどい……」




 
瑳音「だ……」

ラースタ「誰……？」

・

・

・



 
瑳音「……はぁ、なるほど。つまりお二人はねっこさんの家の神姫で、
　　　　金沢にいる頃からうちの中に紛れていたと」

黒髪「うん、そう！」

ラースタ「それで、誰かに見つけてもらって驚かそうと思って潜伏してたけど、
　　　　　　ついに誰にも見つけてもらえずに、引越し荷物に紛れてたんだ？」

黒髪「ザッツライト！」

そんなアホな……。
とりあえず、君らの名前は？



 
プログネ「私はプログネ！この子の双子のお姉さん！」



 
フィロメーラ「……フィロメーラ」



 
瑳音「もしやと思いましたが、やはりお二人は姉妹なんですね」

ラースタ「それで、うちに来たのはまたどうして？
　　　　　　自分のマスターのところを離れてきたんだから、
　　　　　　それなりに理由があるんでしょ？」



 
プログネ「うん、運命！」




 





 
ラースタ「そ……そっかー、運命かー……」

なるほどわからん。

瑳音「どこからツッコめばいいんでしょうね……
　　　　というか、気になっていたのですが……」



 
瑳音「フィロメーラさん、でしたね……その、なぜ下に何も……」

フィロメーラ「なぜ隠すの……？」

瑳音「えっ」

フィロメーラ「見せない方が勿体無い……」

瑳音「えー……」



 
「おい、なんだこの騒ぎは」



 
ラースタ「あ、きありゃん」

希亜良「パトロールから戻ってみれば、一体なんだというんだ。
　　　　　露出狂の変態か？」



 
プログネ「違うよー！フィロメーラは変態という名の淑女だよ！」

フィロメーラ「……貞淑」

瑳音「ややこしくしないでください」



 
希亜良「やれやれ……変態とか痴女の類はとっくに間に合ってるんだがな……」

ラースタ「わー、なんだかdisられた気がするー」



 
プログネ「まぁまぁ、これから一緒に生活するんだし！
　　　　　　ここは平和的にカドが立たないようにいこうじゃあ～りませんか！」

希亜良「案の定居つく気なんだなお前ら……」