君はきっとこない by長そで 小劇場 Comment(2)

          
Mハーデス「そういえばもうクリスマスねー」

樹里「そうだねー、もうこっちに来て三ヶ月も経つんだねー」

Mハーデス「ところで――」




樹里「ところでハーデスさんは、クリスマス一緒に過ごしたい人とかいる？」

Mハーデス「……！」




Mハーデス「（流石ね樹里ちゃん…先手を打ってこの話題を振ることで、
　　　　　　　　会話の主導権を握るつもりね。でも……！）」




Mハーデス「私は特にそういう人はいないわね。そんな樹里ちゃんは？」

樹里「……！」




樹里「（流石ハーデスさん、冷静に返してきたね…！
　　　　でも……！）」




樹里「あれ、そうなの？ 私はお姉ちゃんたちやハーデスさんたち
　　　　みんなと一緒に過ごせればそれでいいかな、って思うんだけどな」

Mハーデス「……！」




Mハーデス「（……なるほど、家族愛の方向に持っていくなんて見事な軌道変更だわ。
　　　　　　　　　結局、こうなるのね……！）」




Mハーデス「あら？そういうことなの？てっきり私はもっと恋愛的な意味かと
　　　　　　　　思っていたのだけれど？」

樹里「え？そっちなの？あはは、そっちだったんだー」

Mハーデス「ええ。で、そっちはいないのかしら？」

樹里「えっ、えーと……」




樹里「そういうのは別に……」




（ﾋﾟﾋﾟｯ




樹里「…………」

Mハーデス「誰かからお誘いのメールかしら？」

樹里「…………だったらいいのにね」

Mハーデス「え？」

樹里「なんでもない…」