魔は嵐のように その1 by長そで 縒玖良と愉快な？爆丸たち Comment(0)

                             
お館様「稚綾よ、お前たちはあの娘の爆丸の命を二度も奪い損なった。
　　　　　これがどういうことか、わかるかい？」

稚綾「…………」

お館様「私はお前はもっと出来る子だと思っているんだ。
　　　　　だからこんなことは言いたくない、失望させないでおくれ稚綾」

稚綾「はい……」




お館様「では稚綾、名誉挽回の最後のチャンスをお前に与えよう。
　　　　　このチャンスをものにできなければ、お前に次はない。
　　　　　いいね？」




稚綾「最後の……チャンス……」




お館様「お前には、このアビリティカードを授ける。
　　　　　これを使って、あの娘の爆丸を葬りなさい」

稚綾「このカードは……」

お館様「お前の覚悟を見極めるためのカードだよ、稚綾」




お館様「お前が本当に私のことを思ってくれているのなら、
　　　　　このカードを使えるはずだよ。わかったね？」

稚綾「はい……お父様……」




お館様「くれぐれも、これ以上私を失望させないでおくれ、稚綾……」

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縒玖良「稚綾……」




稚綾「……今度こそ、あなたの爆丸の命を貰います……」

縒玖良「稚綾、もうこんなことやめまっし……」




リズラス「……いいか稚綾、事前に打ち合わせた通りにやれ。
　　　　　　それで、お前の望むようになる」

稚綾「うん……」




フォス「リズラス！ダージャ様の仇、とらせてもらうよ……！」




リズラス「さも俺があの爆丸に殺意を持っていたかのような口ぶりだ。
　　　　　　あの時お前が死んでいれば、丸く収まったものを……」

フォス「なんだと！」




縒玖良「フォちゃん、やめまっし……」

フォス「でも……！」

縒玖良「うちもうこんなん嫌や……なんでこんなことせんなんが？
　　　　　なんでそんなこと言い合わんなん？
　　　　　こんなんもう、爆丸バトルじゃない……」

フォス「くっ……」

縒玖良「稚綾だって、そう思うやろ……？」




稚綾「私にとって、爆丸バトルは最初から手段でしかない……」

縒玖良「っ！ ちがう……！」




縒玖良「稚綾のバトルは、爆丸と一緒に頑張ってきたバトラーじゃないと
　　　　　できんバトルやった！ 爆丸と一緒に上手くなりたいって、
　　　　　そう思えんバトラーはあんなに強くなれん！」




縒玖良「もうこんなバトルやめよう稚綾！うち、もっと楽しいバトルがしたい！
　　　　　稚綾がバトルを手段やと思っとるって言うなら、
　　　　　うちが絶対気づかせてみせる！だから！」

稚綾「わからない……」




稚綾「そんなの、わからない！」




縒玖良「稚綾……！」

フォス「やるしかないよ、縒玖良」

縒玖良「くっ……！」




縒玖良「ゲートカード、セットッ！」




縒玖良「もうこんなバトルなら……うち、やりたくない……やりたくないよ……」

樹里「縒玖良ちゃん……」




リズラス「いくぞ稚綾」

稚綾「うん……」

リズラス「今日で、全てにケリをつける」




縒玖良「爆丸シュート。ポップアウト、ルミナ・フォス」

フォス「今日こそ勝つ、リズラス」




リズラス「いくぞ、手はず通り」

稚綾「…………」




稚綾「爆丸シュート……ダークオン・リズラス」

リズラス「フォス、俺の地獄に付き合ってもらおう」

フォス「君の……？」


＜光属性フォス：500G+400G+JP0=900＞
＜闇属性リズラス：640G+JP140=780＞





（ぐぐっ…




縒玖良「稚綾、アビリティを使ってこん……？」

Aパーシバル「何か策があってわざと負けに来たか……？」

縒玖良「でも今日のデッキは絶対値入ってないし、
　　　　　わざと負けることもできん…」

Aパーシバル「見守るしかないか……」




フォス「はッ！」

リズラス「ぐっ！」




リズラス「くっ……稚綾、今だ……」

稚綾「リズ……！」

リズラス「はやく、今しかない……！」




稚綾「……！」







側近「しかしあのアビリティを稚綾に渡すとは、見事な絵踏みを考えられましたね」

お館様「あの娘が絵を踏めるとも思っていないがな」

側近「おや、奇遇ですね」

お館様「所詮は自動人形、劣等種以下のガラクタに過ぎぬ」




お館様「万が一まだ利用価値があるならそれでもよし。
　　　　　もしなくとも、既に力を取り戻した余にはもはや必要がないのだからな」