真夏の夜の夢 その5 by長そで 小劇場 Trackback() Comment(3)

希亜良「――なるほど、マインドワイプのやつそんなことを…」

樹里「うん、意外に大変なこと考えててびっくりしちゃった…どうにかしないと」

ゼニス「実行ｻﾚﾀﾗﾄﾝﾃﾞﾓﾅｲｺﾄﾆﾅｯﾃｼﾏｲﾏｽﾈ…」

希亜良「うむ、なんとしても阻止せねばな……」










ラースタ「あと、例のミストちゃんのことだけど…」

瑳音「どうも少し複雑そうな様子でしたね……」

ラースタ「やっぱりあのフルングニルってのは、ミストちゃんのこと道具としか思ってないのかな…」










希亜良「だとしたら、ミストも何とかして助け出さねばならないな…
　　　　　フルングニルと引き離すのは辛いかもしれないが、今後を考えると…」

樹里「確かに、そのまま道具として使われ続けたら、最後は…」


「まってくださいです！」










希亜良「雪名……？」

雪名「その……多分フルングニルさんは、ミストさんのことを道具だなんて思ってないと思います」










希亜良「……何か見たのか？」

雪名「はい。フルングニルさん、ミストさんが転んだだけで、すっごく心配してました。
　　　フルングニルさんは、ミストさんのこと、きっとすごく大切にしてます……」

希亜良「なるほどな……」










希亜良「雪名がそう言うなら、信じないわけにはいかないか」

ゼニス「本当ﾆ､ｿｳﾅﾉﾃﾞｼｮｳｶ…」

希亜良「あぁ、大丈夫だ。雪名は……私の妹達は皆、家族の暖かさを誰より知っている神姫ばかりだ。
　　　　　雪名がその様子を見て、そうだと感じたというのなら、私はそれを信じる」










ラースタ「きありゃん……」

雪名「希亜良お姉ちゃん……」

樹里「じゃあ決まりだね！」

希亜良「あぁ、ミストを助け出すのと一緒に、フルングニルの方も説得してみよう」










希亜良「よし、では明日は私は最初はミストの方に専念する。
　　　　　本隊は予定通りやつらを迎撃してくれ。準備はできているか？」

ゼニス「ﾊｲ､連中ｶﾞ何ﾗｶﾉ装置ｦﾂ使ｳﾄｽﾚﾊﾞ、電力ｶﾞ必要不可欠ﾉﾊｽﾞ｡
　　　　ｺﾞ家族ｶﾞﾃﾞｶｹﾃｲﾙ間､ｺﾉ部屋以外ﾉ電力供給ﾊ最低限ﾆ落ﾄｽﾖｳﾆｼﾃｱﾘﾏｽ｡
　　　　ｺﾚﾃﾞﾔﾂﾗﾊ､必然的ﾆｺﾉ部屋ﾆｸﾙｼｶﾅｸﾅﾙﾊｽﾞﾃﾞｽ」

希亜良「さすがだゼニス。明日は本隊の指揮もよろしく頼むぞ。
　　　　　七瀬と瑳音も加わってくれる、だいぶ楽になるはずだ」

瑳音「ええ、任せてください」

希亜良「樹里は明日はレスキューやイズミの手伝い、ラースタは美來達と一緒に、
　　　　　万が一縒名達に被害が及ばないように後方の警護だ。頼むぞ」



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マインドワイプ「やはりお迎えは充実しているようだな。手の込んだ誘導までして…
　　　　　　　　　まあいい、どの道我々の狙いはこの部屋」










マインドワイプ「人間の無線機器。これを少し細工し、そして出力を上げれば、
　　　　　　　　　オールスパークの波動を広範囲に拡散できる。狙いはあれだ。」










マインドワイプ「全員、気を抜くなよ」










ゼニス「総員､戦闘開始! 連中ﾉ侵攻ｦ阻止ｾﾖ!」

「「「「おおーッ！」」」」




























































ミストカーフ「……妙だな」










フルングニル「……やはりお前も感じたかミスト」

ミストカーフ「あぁ、おかしい。あのハウリンタイプの姿が見えねぇ」










ミストカーフ「あいつはここを護ってる連中の指揮官のはずだ…
　　　　　　　この状況であいつがいないなんてこと…」










ミストカーフ「ありえｎ










なッ！？」
































ミストカーフ「かは……ッ！？ んなろっ……！」










フルングニル「くっ……ミスト……！」

希亜良「すまないなミスト。だが今日は私も本気だ。なんとしてもお前を」










希亜良「止める！」

ミスト「ちっ！」











希亜良「聞けミスト！お前もフルングニルも、あんな連中に手を貸すことはない！
　　　　　お前たちはそんなことがしたかったわけじゃないんだろう？」











ミストカーフ「うるさい！あたしはプロフェッサーのためならどんな奴とも戦って勝ってみせる！
　　　　　　　　これしか方法がないならあたしは……！」

希亜良「もしかしたら方法が他にあるかもしれない、私たちでよければ相談に
　　　　　乗るぐらいならばできる。取り返しが付かないことになるまえに…今ならまだ間に合う」

ミストカーフ「お前は敵だ！お前らを信用しろっていうのかよ！いや、敵とかそんなんじゃねぇ、
　　　　　　　　あたしたちはずっと、あたしたちだけを信じて生きてきた。そして、」










ミストカーフ「そして、あたしたちが実力で勝ち取るものしか信じない！」










希亜良「言っても聞かないか！ならッ！」

ミスト「てめっ！？」










ミスト「よくもプロフェッサーの武装を…！」










ミスト「よくも！」










希亜良「射撃武器もあったか！だが…！」










希亜良「そんなもの……！」










希亜良「あたらんっ！」










ミスト「ぐぁッ！」










ミストカーフ「ちっく、しょう……ッ！」










希亜良「これで……！」










希亜良「終いだ！」

ミストカーフ「が……っ……！？」























フルングニル「ミストぉ！」










フルングニル「ミスト、しっかりしろ！ミスト！」

ミストカーフ「ごめ……プロフェッサー……あたし、プロフェッサーの最高傑作……
　　　　　　　　なのに……ごめん……」

フルングニル「何を謝ってるんだ！もう喋るな、すぐに私が……」










ミストカーフ「ダメだ……ここにいたらプロフェッサーもやられちまう……あたし、
　　　　　　　　プロフェッサーの足、引っ張りたくない……だから…………
　　　　　　　　だから……最後に一つだけ頼みを聞いてくれ……」

フルングニル「ミスト……？」










ミストカーフ「あたしを壊して……逃げてくれ」

フルングニル「おまえ……何を言って……！？」










ミストカーフ「あたしの……ボディがここで残ったら、あいつらか……デストロンに、
　　　　　　　　プロフェッサーの技術が知られちまう……その前にあたしを壊して、逃げてくれ……」

フルングニル「お前を壊せだと……そんなこと私にはできん！お前は……」

ミストカーフ「ダメ……だ……もういやだよ……あたし……」










ミストカーフ「もうプロフェッサーの足、ひっぱりたくない……」










（バババババババババ

希亜良「ん、来たか」










イーヴァック「希亜良さん、お待たせしましたよ」

希亜良「ああイーヴァック、そっちも忙しいだろうに無理を言ってすまなかったな。
　　　　　早速だが、そこに倒れている神姫をすぐにレスキューのところへ運んでくれ」










希亜良「フルングニル」

フルングニル「……？」

希亜良「今からすぐにミストを、私の知り合いの医者の元に運ぶ。もし……もしお前が
　　　　　ミストのことを本当に大切だと思うならば、同行して修理を手伝え」

フルングニル「なに……？」

ミストカーフ「ダメだ、そんなんウソに決まってる……逃げろよプロフェッサー……逃げて……」










フルングニル「ミスト……私は……」

ミストカーフ「逃げろ……絶対にプロフェッサーだけは……」

フルングニル「……ミスト……お前の想い無駄にはしない……」










フルングニル「あとで必ず助け出す……！すまん！」

ミストカーフ「そうだ……プロフェッサーだけ……でｍ……」


希亜良「……フルングニルの方は無理だったか。しかし仕方ない、
　　　　　ここまで言われれば、それもまた一つの決断か……」










希亜良「ともあれそういうことだイーヴァック。あとを頼む。私は戦闘に戻る」

イーヴァック「わかりましたよ。そちらもどうかお気をつけて」

希亜良「うむ、レスキューにもよろしく伝えておいてくれ」





（続く